dottimo_kottimoのありふれた日常

定年を迎えるにあたって書いてます

レックスからの手紙

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お父さん、お母さん、裕太、翔太、今までありがとう。

14年前にお母さんと翔太が僕を見つけてくれました。

二人に出会て本当に良かった。

10月なのに雷が鳴っていた夜、僕はここに来ました。

最初はお父さんも裕太もいい顔しなかった、反対してたんだよね。

でも、僕が具合が悪くなり病院にいったんだ。

帰ってきた僕に、よかった、よかった、寂しかったって言ってくれたんだ。

 

僕がここに来た時は、裕太が中学3年生、翔太が小学5年生、まだまだ子供だったんだ。

時の流れは速いもので、あの時一番子供だった僕がいつしか一番おじいちゃんになっていた、みんなの何倍ものスピードで年老いていく運命・・・・

 

耳も聞こえなくなり、目もよく見えない、白髪も多くなり、走ることさえ辛かった、こんな老犬になっても、今までと変わらなく接してくれて嬉しかった。

 

僕が5歳くらいの時から、お母さんは仕事に行くようになり、昼間はいつも一人ぼっちだった。

窓から外を眺め、誰かが帰ってくると嬉しくて嬉しくて走って階段に向かい、お迎えするのが日課だった。

お母さん、いっぱい遊んでくれてありがとう、いろんな所に連れていってくれてありがとう。

お父さん、大好物のジャーキーありがとう、ドライブに連れていってくれてありがとう。

 

お父さん、お母さん、裕太が入院した時、僕もお見舞いに行きたかったんだよ。

翔太の結婚式に僕も出席してお祝いしたかったんだよ。

 

僕が病気になって死期が近づいたと感じたとき、どうしてもお別れが言いたかった、痛くて、苦しかったけど、がんばって立ち上がってもう帰れるよって・・・・

短い時間だったけど、一緒にいられて最後にお別れができてよかった。

 

痛くて痛くて、意識もうろうで、お父さん、お母さんが面会に来ててもわからなかったんだ。そして僕の最後を傍で看取ってくれてありがとう。

 

関根レックスでいられて本当に幸せでした。

 

最後にお父さん、お母さんもうすぐ結婚30年だね、一緒にお祝いできなくてごめんなさい。

 

高い空からみんなのことを見守っています、たまには空を見て想い出してください。

 

                              レックス

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